キャッシュレスの経営的メリットデメリット。

キャッシュレスの経営的メリットデメリット。

May 26、2023岩﨑敬太

今日はEPISOの実店舗でご利用いただける現金以外のお支払方法についてご案内します。

早速ですが、2023年5月現在、以下の通りです。



〇クレジットカード(お支払回数/1回のみ)

・Visa

・Mastercard

・JCB

・American Express

・Diners Club

・Discover

・UnionPay(銀聯)



〇キャッシュレス決済

・iD

・QUICPay

・Apple Pay

・AliPAY

・WeChatPay

・COIN+

・d払い

・PayPay

・LINEPay

・auPAY

・楽天Pay

・交通系電子マネー



本当に多種多様な決済方法が登場していますね。ご利用いただいたことのない決済方法もあるくらいですが皆さんもいずれかは手段としてお持ちではないでしょうか。現金離れが進んでいる世の中ですのでお店としてはキャッシュレス化には今後も対応していきたいと思っています。現金でのお支払いと合わせましてご都合に沿ったお支払方法をお選びください。



家具の場合はお渡しまでにお振込み、またはお渡し時に現金代引きという方法も可能です。


キャッシュレス決済といえば先日経営的な視点について考える機会がありました。



とあるお店(飲食店ではなく物販のお店)で飲み物をクレジットカードで買おうとしたのですが「本当は1000円以下はクレジットカードが使えませんが今回は特別に通しておきます」とのことでした。キャッシュレス決済がクレジットカードぐらいだったひと昔は良く聞きましたが今時珍しいなと思ったのですが、同時に頭の中に「それにどういうメリットが?」という疑問も浮かんできました。



決済の選択肢が狭くなるわけですからお客さんに利はありませんのでお店側のご都合という事になると思います。


小売業に関わっている方なら大半はご存じかと思いますがクレジットカードやキャッシュレス決済はお客様からお金を直接頂くのではなく信販会社からお支払いをしていただく流れになり、お店側が信販会社に数パーセントの手数料を支払っています(売上金額から売上手数料と振込手数料が引かれた金額が入金します)



ですので消費税が10%に増税したタイミングで政府主導で急速に進んだキャッシュレス決済によってお店としては利益率が絞られるお取引が多くなりました(インフラを整えるためにキャッシュレス決済対応のレジ端末だったりに補助金が出ましたのでやるなら今しかないという感じで多くのお店がキャッシュレス決済に対応しました)



手数料をお支払いするのを嫌って現在も現金一本のお店もあるかと思います。「1000円以下はクレジットカードが使えません」もちょっとでも現金取引を増やして支払手数料を削減したい、という事なんだと思います。



皆さんが経営者だったらどう考えるでしょうか。なるべく余計なコストは払いたくはないですよね。ただ、そのような施策にはデメリットもあるのではないかと。



すぐにお気づきになる方も多いとは思いますが一番どうなんだろうという点はLTV(ライフタイムバリュー)の観点ですね。顧客生涯価値ともいわれるものですが要はお客さんが生涯でそのお店で使って下さるお金や指標の事です。



「1000円以下はクレジットカードが使えません」という一言だけで少なくとも可能な限り支払いはポイントもつき会計の手間もない(カードや振り込みをクラウド会計ソフトと連携させて自動で計上しているためです)クレジットカード支払いにしたい僕は生涯にわたって日々のちょっと買いをするお店ではなくなったという事です。クラウド会計はさておき現金を持ち歩くのも財布の中に現金がいくらストックされているか気に掛けるのも面倒だなという方は今や少ないくないと思うのですがそんな顧客が週に1人2人いるだけでもどれほどの売り上げの損失になるでしょうか。それを犠牲にして浮いたのは多くても50円ほどの支払手数料です。



なんなら欲しいものが揃うか分からないし1000円行くかどうか微妙だなという感じの購入予定ならもう他の店に行こう、とまでなりますね。もっと言えば急に必要な物でなければネットで買うか、となります。



疑問に思ったのはなぜ1000円以下の売り上げの場合は手数料を支払いたくないかという点で、決済手数料が5%だったとすると、一人のお客さんが11000円のお買い物をしてくださったとして550円手数料を払うのも、一人のお客さんが10000円の買い物をしてくださり別の方が1000円の買い物をしてくださってもトータル550円の手数料はパーセンテージは同じなので同額となります。なぜ少額の場合の手数料を支払うのは嫌なのか?袋代やレジ打ちの人件費が高額品より高くつくから?それならば低額品を売ること自体が経営判断としてそもそも間違っているのでは?もしくは10000円以上(もしくは顧客平均単価以上)は現金支払いのみにして500円を浮かす方がコスト減になるのでは?



10000円以上は現金のみ、というのは持ち合わせがない時にも購入していただく機会を減らさないようにという点で現実的ではないですし、低価格品を購入するお客様の数の方が多いはずですのでそこまでメリットはないと思いますが、それこそがキャッシュレスのお店側の利点で導入するだけで購入のハードルが低くなったり顧客単価が上がるという恩恵を受けています。ですのでカード利用に制限を掛けることのリスクの方が大きいような気もします。(身も蓋もないことを言ってしまえばカード利用に制約を設けるのは信販会社とお店間の利用規定に違反していることが多いと思います。)


そんなわけでキャッシュレス決済に制限を設けるのは直感的には良い手だとは思えないな、何か見落としている理由があるのかな?とふわーっと頭の中で考えていたら無言でぼーっとした感じが無愛想に思われてしまったのか若干ご機嫌を損ねた感じで買った飲み物を店員さんに突き出されてしまったのですがちょっとでも利益を残したいという気持ちも経営者としては理解できますし何が正解かという点には至っていません。業種や購入の緊急性などにも拠るのでしょうか?



お断りしておきたいのはどっちが正しいとか批判をしたいわけではなくお店によって考え方が違うのが面白いなと思った点で、EPISOの場合は見てご購入されたいという品物が多いお店ですので交通費や時間を使ってお越しいただいている以上、決済方法の自由度で他社さんのネット販売に劣るようでは話にならないと思っているのですが、キャッシュレス決済を導入しているお店の方、導入していないお店の方、お話しする機会がありましたらご意見お聞かせいただけると嬉しいです。

 

 

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