リノベーションプロジェクト、前回は現状の様子を撮影しました。次は解体作業です。
ポイントはどこまで壊すかを適当にしない事。 壊しすぎると後でまた時間も材料費もかかってしまいますし、壊し足りないと後で柱が立てられないとか、きれいに見える収まりにならず無駄な凹凸が壁や天井にできたりと困ったことになります。
基本的には設計士さんや大工さんが強度の事も含めて判断していきますが、DIYでする方も含め、当然のことですがまずは「部屋をどうしたいか」を事前にとことん計画しましょう。
工事が始まると職人さんたちの手はとても速いです。こういうつもりだったのに、は解体後に取り戻すのは難しいですし、DIYの場合も途中途中で立ち止まって考えていてはいくら時間があっても足りません。
明確にどんな厚み、幅、長さの材料がのちのち取りつくことになるのかを明確に把握することが大切です。
しばしば感じるのは建築のお仕事をされる方は全体の整い感をまず見る、家具の仕事をする方は細部の美しさに注目する傾向がある、という事です。
1mmの厚みの違いにこだわってしまうのは家具屋の職業病かもしれませんね。バランスの良い感覚を持ちたいものだと思いつつ変に拘ってしまいます。しかもお互いが自分が考えている事の方が一般的、なんて無意識に思っているので、「打ち合わせに無かった」細かいすれ違いが生まれるのも当然の事。工事に携わる個々のそういう感覚のわずかな角度の違いが徐々に遠くにあるゴール地点のずれを生んでしまったりするものです。
北欧系などシンプルなデザインの家具が映える空間となると、無駄のない家具のデザインが引き算でできているので空間にも意味のないノイズの排除を求めてしまうのは自然なことなのかもしれません。それでいて意味のある遊び心、なんていう漠然としたものも欲しいので建築を依頼される側の方を余計厄介に感じさせてしまうなんてことも家具屋のあるあるです。
そんな訳で自分の感覚と相性のいい建築会社さんや大工さんに巡り合うのもリノベーションのクオリティを左右する要素かなとも思います。そして図面やパースを使って曖昧なところがなるべくないように打ち合わせは何度でも重ねましょう。自分の「ここはこういう理由でこうしたい」をきちんと言語化できるまでイメージ共有することが解体前には重要です。
ただし解体してみると実は壁が少し傾いていて予定した厚みの材料が使えなかったり、筋交いが入っていて壊したい部分が壊せない、木材の印象が個体差で少しイメージと違ったりと、あれこれと想定外の事は出てきます。
そのようないわゆるどうしようもない事も起きてくるのがリフォームですので、「じゃあどうする?」にも、前向きに対応できる心構えもしておくといいんじゃないかなと思います。
ちなみにEPISOで家具以外の空間のデザインのご依頼をお受けする時は、デザイン案は担当しますが造作のお仕事については建築会社さんや大工さんに仕事を振ることになります。
まずEPISOが窓口として立ち、お客様が何を大切に考えていらっしゃるかをヒアリングした後、感覚が近いと思われる会社さん、職人さんをご紹介させていただいています。
まとめると解体作業はただ壊せばいいとは程遠い物。後戻りしづらい作業なので慎重にプランを立ててから実行しましょう。
そしてもう一つ感じたのは廃材の多さ。廃材と言っても木としては腐っているわけでもないのですが全て丁寧に取り外していると文字通り日が暮れてしまいます。日焼けや塗装もされていてすぐには使い道がない、かといって保管しておく場所もない、というものがなんと多い事か。なんとももったいない事です。
EPISOは薪ストーブがありますので燃やせるものはせめて燃料にすることができましたし、家を建てた亡き祖父がこだわったのであろう床柱などは慎重に取り外して保管しましたが、ベニヤ板や砂壁を砕いたもの、畳などは大量にゴミになってしまいました。そして処分費用も何万円もかかりました(特に砂壁が高い)。
何か有効出来るアイデアがあるといいのですが、難しいですね。もしこんなやり方があるよというご経験のある方、ぜひ教えていただければ幸いです。
という事で今回は解体編でした。