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身の回りの家具にはさまざまな素材が使われています。中でも非常に重要なのが「木材」です。
「木の素材」とひとことにくくってしまいがちですが、樹種の違いを知っていれば新しくアイテムを買い足す時にも家にある家具と素材を合わせるなど、選択に迷いや失敗も少なくなります。
また、インテリアのテイストによって使われる樹種にも傾向があります。
例えば北欧ヴィンテージならチーク、英国アンティークならオーク、モダンなスタイルならウォールナットなどが好まれます(もちろんそれだけではありませんが)。
では。それぞれの木材にはどのような特徴があるのでしょうか?慣れないうちは判別が難しいかもしれませんが、今回は海外のヴィンテージ家具に使われることの多い代表的な樹種についてご紹介していきましょう。
オーク
オークは、いわゆるどんぐりの実がなる広葉樹です。ひとことにオークと言ってもその種類は多様です。ホワイトオークやレッドオーク、日本ではナラやカシの木も同属です。ちなみに日本でナラは冬に葉が落ちる種類、カシは落ちない種類のことを言いますが、英語では区別せずにオークと呼びます。
ヴィンテージ家具に使われるオークは、基本的にはホワイトオークが多いです。非常に丈夫で木目も美しく、古くから家具材や道具材として使われてきました。材質の個体差が少ないため、テーブルなど、つないで広い面積を確保するという使い方ができます。イギリスのヴィンテージ、アンティークの家具はオーク材が多いのは、それだけオークの耐久性が優れている証でもあります(他の樹種では壊れて後世に残りにくい)。
もともとの色味も綺麗な上、着色性も良いのでいろいろなテイストで使える万能材です。
チーク
世界三大銘木のひとつ。北欧ヴィンテージ家具の王道ともいえるチークですが、現代では天然チークは伐採が規制されていて新規での入手はほぼ不可能。
現在流通しているチーク材の多くはベトナム、タイ、インドネシアなどで生産される植林材。天然に比べると色味がやや白っぽく、木目が粗くパサついた印象を受けます。
本物の天然チークを味わえるのが北欧ヴィンテージ家具の醍醐味のひとつです。
伐採から時間が経ったチークは赤褐色の肌に印象的な黒い筋が入ります。
油分が多く、耐水性のきわめて高い木材で、古くは船の材料として重宝されました。あの戦艦大和の甲板もチーク材で作られていたそう。
希少となった現代では考えられませんが、昔の東南アジアではありふれた木材であり、家の材料としてふんだんに使われていたそうです。うらやましい限り。
ビーチ
日本でいうブナの木。木目は穏やかで均一、優しい印象を与えます。ゴマのような細かな斑点、ゴマ斑が全体に散らばっているのが特徴です。
オークと同じブナ科に属する広葉樹ですが、オークほどの堅牢さはありません。
しかし適度な硬さと柔軟性を持ち、曲げ加工に適しているため曲線を生かした椅子などに多用されます。チェコのトーネット社のビーチ製のNo.18チェアは世界的な名作椅子に数えられます。
クセがなく加工しやすい、なめらかな手触りなどもあって家具の他におもちゃなどにも使われます。
価格的にもこの記事で紹介している他の樹種よりもお手頃になっています。
なお、カバノキを英語で呼んだ「バーチ」とは別物ですのでご注意を。
ウォールナット
世界三大銘木のひとつ。ウォルナットとはクルミのことで、日本でいうウォルナットは北米産のブラックウォルナットのことを指しますが、ブラックが省略された呼び名が定番となっています。日本のクルミ材(主にオニグルミ)は木質、木目は近いですが色は白っぽいです。
加工がしやすく、木目が美しい上に幅の広い材が取れます。
衝撃にも強く耐久性も高い、おまけに仕上がりもきれいというとても優秀な木材です。資源としての備蓄も十分なようですが、その人気ゆえか価格は高め。
「黒い木材」という特徴も相まって多くの人に好まれ、テーブル、チェア、収納家具、フローリングとその用途は多岐にわたります。
ブラックチェリー
単純にチェリーとも呼ばれます。その名の通り日本でいうサクラの仲間です。
黒いさくらんぼの実、いわゆるアメリカンチェリーのなる木で、実はおいしく木材な優良な価値ある樹種。赤黒い深みのある木肌が特徴で、重厚ながらもしっとりとした、非常に上品な印象を与えます。
深い色味と、存在感のある流れるような木目はテーブルやフローリング材など、面積の広い部分に利用するととても存在感があります。
現代では非常に人気のある材料ですが、あまりヴィンテージ家具では見かけません。もし見つけたら即買いかも…?
家具に使われる材料はさまざま。今回は代表的なごく一部だけをご紹介しました。なんとなくのフィーリングでアイテムを選ぶのもいいですが、「どんな材料を使っているのかな?」と気にして見るだけでもまた見方が変わってくるかもしれませんね。
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