家具屋的キャンプギア考察その1

家具屋的キャンプギア考察その1

Dec 24、2023岩﨑敬太

 

  

とある友人の影響で最近キャンプについてあれこれ考えています。子供のころはファミリーキャンプも割と頻繁にしていましたがこの10年ほどの間で言えば2回ほどしかしておらず、さらには道具もほぼ貸してもらい料理も作ってもらったものをおよばれするという軟弱な経験値なんですが、いろいろなスタイルがあって面白いですね、キャンプギア。知れば知るほど欲しくなってしまい家具の開発にも活かせそうで色々と購入して考察中です。

 

今年は自転車を知人から譲っていただく機会があり、あくまで自転車は移動手段であることが本質かなと思うと、自転車を楽しむなら目的地や目的があるともっとわくわくできそうだな、と思い自転車キャンプをするなら自分ならどうするか、という事を妄想しています(行く予定も全然ないまま雪が積もる季節になってしまいました!)

 

人力で目的地に向かう以上軽量コンパクトであることが求められますが、登山や徒歩キャンプ程シビアなUL(ウルトラライト)装備である必要はなさそうです。
 


むしろ大自然を感じに行って狭いテントに身体をねじ込み小さいテーブルで物が落ちないか焦りながら食事をしてつらい思いをするのは自分の理想の自転車キャンプ像ではないなと。
 

でもいろんな商品を見て心惹かれるのはULなアイテム達。とにかくシンプルで無駄がない。ギミックも考えられていてあっという間に展開、撤収が可能。ストイックでめちゃくちゃカッコいい。水や食料品を除いて4~5kg程度に抑えるというレギュレーション中でどれだけ装備を充実できるかというのがまたゲーム性があって面白い。車で行くキャンプなら1人用のテントだけであっさりオーバーしてもおかしくない重量です。素材やサイズ、なにを諦めるかを極限まで検証しないと絶対無理。

 

そんなこんなでULっぽいテイストでまあまあ軽量コンパクト、使い勝手や快適性には家具屋の目線で拘るというところを妥協点とします。ウルトラライトのもう少し緩いバージョン8~9㎏程度の装備をライトウェイトと言うそうですが、軽さに加え快適性に主眼を置くため自分の中ではCL(コンフォートライト)と呼ぶことにします。

 

それで作ってみたのが画像のテーブルです。焚火はロマン、外せないと焚火台を探していたところこんなものを発見。ソロキャンプの焚火台としては大きすぎるのですが何か気になる。このガンダムの盾みたいな男心をくすぐるメカニカルなフォルムから目が離せない。重量もそれなりに軽い。ということで君に決めた!パーツを使ってテーブルにしました。

 

サンパーシー折り畳み焚火台

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B0BG2DYM89/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o06_s00?ie=UTF8&psc=1

 

何なんだ、この安さは・・・。キャンプ道具ってピンとキリの間がものすごく広い気がします。こだわるところはしっかりコストをかけて抑えるところは抑える。そんな取捨選択の面白さもまた沼にはまる要因なのでしょう。

 

 

キャンプや登山のギアを改造することをmyog(ミョグって読むのかな?=make your own gear)というらしいです。これは用途を変更しているのでそれに当たるかはちょっと微妙なところですが小学生の頃にはまったミニ四駆の改造を思い出してなんだか楽しい。

 

天板は軽量な中空ポリカーボネートを採用。プラダンでできたULテーブルがあるようですがプールやカーポートの屋根に使われるポリカの方が高強度で耐熱性能も上のようです。熱したフライパンを置いたら流石に表面が少し溶けてしまいましたがチタンのアルコールストーブの燃焼、沸騰したお湯が入ったステンレスの鍋の直置きには耐えました。なかなか優秀。ホームセンターで買えるので傷んでも3枚の内1枚まともなものが残っていればそれを型にカッターでカットして交換が可能です。誤算だったのは2023年12月現在ポリカーボネート182x91cmが3240円もしたこと。

 

たくさんパーツが取れるのでパーツ単価としては大したことはないのですが10年前ぐらいに買った時は2000円ぐらいだった記憶なのでこんなところにも値上げの影響は確実に押し寄せています。

 

天板が跳ね上がらないようにするためのステンレスの六角パーツ(熱いものを置く際の鍋敷きも兼ねるため厚みは1.2mmと多少厚めの設計)は鉄工所さんにお願いしてあとは100均やホームセンターの材料で作ってみました。

 

 

組み立ては2分ほどかかってしまうのでその点はマイナス評価です。ただし、全てのものが短時間で組み立てできるに越したことはないですが例えばテントは素早く組み立てできるものを選ぶ、などキャンプでは何事もトータルでどうなるかのバランスが重要な気がしました。登山で持っていくようなものではないのでキャンプであればゆっくり組み立ても楽しめばいいのでは、そんな感じで許容とします。

 

 

収納サイズは約30x32x1.5cm、重さは収納袋なしで630g程度(五徳は無し、袋は+50g程度でした)と、このサイズのテーブルにしては軽いと言えそうです。両手の指でつまんでひょいと持ち上げれるぐらいの感じですね。逆に風で飛んでいきそう。重くなるのは避けたいですが焚火台の五徳パーツ(73gx3個)として付属してくるものを棚として使えるので使用時には少し物を置いて重さを与えておくのも良さそうです。個人的にはステンレス六角パーツの直下にはカラビナがありワイヤーを保持しているのでそこにLEDランタンを吊るす予定です。透け感のある天板なのでそんな使い方もできるのが良いですね。天板が透けることで組み立ても目視できますので比較的スムーズです。

 

 

また、家具屋としてはチェアに座って食事をするときのソロキャンプテーブルの窮屈感がどうしても気になっていました。軽量なものは高さ8cmなど椅子との組み合わせを想定していないものが多く、人力運搬に適したものは高さがあっても座面高程度が精いっぱいで、膝が天板下に潜らないので脚を縮こまらせて腹部を圧迫しながら食事をする体勢になってしまいます。このテーブルだと特殊な形状をしている恩恵で天板を脚の間に収めるような態勢でチェアに座れますので食事の際に割とリラックス度の高い仕様とすることができました。

 

今回は行く予定もないのにキャンプテーブルを作ってみた、というお話でした。軟弱ものゆえ冬キャンプは勇気が出ないですが春までにまた何か思いついたら作ってみようと思います。本業と近いようで全く別ジャンルのキャンプファニチャー、奥が深いです。キャンプがお好きな方がいらっしゃったら御指南ください。myogアイデアも是非聞かせていただければ嬉しいです。

 

 

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